火気がなくても、物質が自分の熱で発火することがあります。これが自然発火です。乾性油をしみこませたウエスの火災など、実際の事故にも直結する重要テーマです。
火をつけていないのに、勝手に燃え出すことなんてあるの?
ちょっと信じられないな。
あるのよ。
物質が空気中で常温でもゆっくり酸化して熱を出し、その熱が逃げずにたまって発火点に達し、ついに燃え出すことを自然発火というの。
熱がたまるって、どうしてたまっちゃうんですかぁ?
発生する熱より逃げる熱が少ないと、熱がこもって温度が上がり続けます。
これを蓄熱といいます。
表面積が大きく、風通しが悪く、まわりに保温性のあるものがあると蓄熱しやすいのです。
具体的にはどんなものが自然発火するの?
代表が乾性油よ。
あまに油などの乾性油をしみこませたぼろ布(ウエス)を、ゴミ箱に山積みにして放置すると、酸化熱がたまって自然発火することがあるの。
実際の火災原因として有名なのよ。
油のしみた布が勝手に燃えるなんて怖いですねぇ…どうやって防げばいいんですかぁ?
自然発火を防ぐには、蓄熱させないことが基本です。
風通しをよくして熱を逃がす、温度を低く保つ、山積みにしない、湿気を避ける、といった対策ですね。
油のしみた布は水につけるか密閉容器に入れて処理します。
ほかにも、石炭や鉄粉、活性炭なども自然発火しやすいものとして知られているわ。
共通するのは、酸化しやすく、熱がこもりやすい状態にあることね。
酸化熱がたまって発火点に達すると自然発火。
乾性油のウエスが代表。
防止は蓄熱させないこと!
火種がなくても油断できないんだね。
そのとおり。
しくみと代表例、防止策の3点セットで覚えておきましょう。
確認クイズ
自然発火に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 常温での酸化熱などが蓄積して発火点に達すると起こる
- 乾性油をしみこませたぼろ布の山積みは自然発火の原因になる
- 風通しをよくして蓄熱を防ぐことが有効である
- 自然発火には必ず外部からの火気が必要である
こたえを見る
正解: 4. 自然発火には必ず外部からの火気が必要である
正解は4(誤っているもの)。自然発火は外部の火気がなくても、蓄積した熱によって起こる現象です。したがって『必ず外部の火気が必要』とする4が誤り。1のしくみ、2の乾性油の例、3の換気による防止はいずれも正しい記述です。